これまでプレイバックシアターで語られた子育てのストーリーを物語にしておとどけします。
※事前にテラーの了承を得るとともに、テラーが特定されないよう、表現に配慮しています。
『幸せの時間をつくるために』
「明日一緒に、種をまこう!」
夜寝る前に、娘と約束した。
部屋を整理していたら発見した、“四葉のクローバー”の種。幼稚園生の娘と、今しかない、かけがいのない時間を
一緒に楽しもうと思っているのに、
家事、仕事、下の子の世話に追われ、日々が流れてゆく。
最後に、しっかり向き合って遊んだのはいつだっただろうか?
私はちゃんと、子どもの目線を考えられているだろうか?
この子に、我慢させすぎてないだろうか?
四葉のクローバーが与えてくれたチャンスだと思い、
明日こそ、と決意を固めた。
小さなことだが、私にとっては娘との一大イベントだった。
そして、夜が明けた。
お着がえ終了、朝ごはんも食べさせ、準備万全。
ラッキーなことに、下の子も他のことをして遊んでいる!
よし、この間に!!
「さあ、植えよう」娘に声をかけた。
ところが我が家に一つだけある植木鉢をみると、枯れた雑草が残っていた。
「これがあっては種はまけまい」
そう思った私はそれをさっと取り除いてビニール袋に入れた。
するとその瞬間、
「やだー!!」娘の大声が響きわたった。
「それ、抜いちゃやだー!!」
予定外の進行の滞りに、戸惑う私。
しかし、枯れた雑草のために、1日にまたとないこのチャンスを逃すわけにはいかない。
モタモタしていると、下の子がこちらの動向を察知して興味津々で近づき、
植木鉢をひっくり返し、種を床にばら撒いてしまうに違いない。
洗濯や掃除、昼食の準備も、私を待っている。
早く娘を落ち着かせて、種まきにとりかからねばと、説得にかかった。
「これはね、もう枯れているんだよ。だから、土にさしておいても、だめなの。」
説明する私にかまわず「やだー!」と大声で泣き続ける娘。
焦りとともにいら立ちがつのってくる。
「これを残しておくと、新しい種が元気に育たないんだよ。だから抜かないとだめなの。」
徐々に顔がこわばり、口調が強くなる自分を感じる。
何回言い聞かせても泣き続ける娘。
ついに私のイライラが頂点に達した。
そしてついに、言い放ってしまった。
「うるさい!」
そんなことを言っても、何の解決にもならないとわかっていた。
子どもには、子どもなりの理由があることもわかっていた。
それでも、自分のいら立ちを抑えられなかった。
どうして“種をまく”という目的を捨てて、娘に寄り添うことができなかったのだろう。
どうして「そうだね。捨てちゃったらかわいそうだよね」と言ってあげられなかったのだろう。
娘にとっては、枯れた雑草も、ひとつの命だったのだ。
巻き戻せない時間を思い、後悔がつのる。
たくさんの巻き戻せない瞬間がありました。
返信削除いまでも胸がいたみます。佳代
あ~私も同じです。
返信削除あの時にもどれたら・・と
何度思ったことかしれません。たづ
たづちゃん
返信削除書き込み、ありがとうございます!嬉しい。
以前、知り合った方が、
「子どもが年子で大変で、
小さいとき、ちょっとしたことですごくイライラしてどなってしまった。
その時のことを、忘れててくれるといいなぁ、と今となって思う」
とお話しされていたのが、
とても印象に残っています。
すごく素敵な方で、
このひとでもそんなことがあるんだぁ、と思いました。
やはりおこられた記憶って子どものどこかに残っているのでしょうけれど
「あのときの私を忘れてほしい!」という気持ち、
本当にありますよね。
最近、子どもの「なんで??」病にタジタジです。
なんで、なんでも「なんで??」って聞いてくるのかしら。。。
興味もってくれるのは嬉しいけど、
忙しくて適当に答えると、間髪入れずに、また「なんで??」って聞いてくるのです。
それにしても、子どもの観察眼はするどいですね。